ダンディGO | 旅GO! |
旅GO!
ジャグリング・エンターティナー ダンディGOの旅行記
2006.1.11(水)〜1.20(金)
<ケニヤの旅>
JAMBO!
「取って置き」の時に開けるワインやシャンパンのように、
大切に思うからこそ、なにか特別なことがない限り、
簡単には手を付けたくないものがある。
「大自然」「野生の王国」
夢とロマン溢れる遥か遠いところ・・・
テレビや写真をみるにつけ、
強い憧れを持ち続けた・・・
それは海外を旅するようになった現在も変わらない、
僕にとってそこは、まさに「取って置き」のはずだった。
・・・が、
その時は、あっけなくやってきた。
例年のごとく、忙しい年末のさなか、
旅の計画も立てられぬまま、
気がつけば、クリスマスシーズンも終わりに近づいたころ、
行きたい所も、他に思いつかず、
あれこれと迷う間もなく、旅行社に申し込んでしまった・・・
「スペシャル サファリ イン ケニア」
名所旧跡を訪ねる。
世界遺産を巡る。
人々の生活や文化に触れる。
体と心を癒すバケーション。
と、旅の目的は様々・・・
しかし、
ケニアやタンザニアを訪れるほとんどの人々がそうであるように、
僕のこの旅に寄せる思いは一つ、「サファリ」を楽しむ事。
つまり、
広大な大自然の中を、サファリカーで駆け巡り、
野生の動物に出会うことだった。
そして今回、それを体験すべく、
アンボセリ、アバーディア、ナクル、マサイマラの
4つの国立公園・保護区を巡る。
【ナイロビ】
関西国際空港からドバイを経由してナイロビまで13時間のフライト
到着後迎えてくれたガイド(ジョージ)とドライバー(ジョン)と共に、
予想外に発展した近代的な街並みと、ビルの林立した
市内のホテルにチェックイン。
ジョージ ジョン
長旅の疲れも感じることなく、
午後からの自由時間を利用して、
旅のプロローグにと、
ジラフセンターでキリンに餌をやり、みやげ物屋をひやかした。
夕食は「カーニバル」というアフリカンレストラン。
様々な動物の肉をバーベキューで食べさせてくれるそのレストランは
味はいただけないが、明日から始まるサファリ気分を掻き立ててくれる。
「これ、何の肉?!」
【ナイロビ→アンボセリ】
翌早朝、アンボセリへ向けて出発。
移動に使用する専用車は、日本で言うミニバン。
途中ナマンガと言う町を経由して土産物屋に立ち寄ったりしながら
5時間程度のドライブ。
ジョージが教えてくれる「JANBO!(こんにちは)」という歌を
皆で合唱しながら、
アフリカムードは盛り上がっていく。
噂に聞いていた悪路も、浮き立つ気持ちと、
車窓から見るアフリカらしい景色のせいか、
それほど苦にはならない。
車窓からみた風景のひとコマ。
ギネスとコーラの看板、ダチョウと人々、こんな風景ほかで見られる?!
【アンボセリ国立公園】
アフリカの最高峰「キリマンジャロ」の山麓の北に位置する乾燥地のサバンナ。
<サバンナのホテル>
ホテルはコテージ式の木造で、少し古びた感じが雰囲気を盛り上げる。
カフェのオープンテラスからは、真正面にキリマンジャロを望むことができ、
敷地内には何頭ものヒヒやサバンナモンキーが縦横無尽に現れる。
アフリカのサルは、おしりが青い?!
昼食を済ませ、夕方4時から始まるサファリに備えて
プールサイドのビーチチェアーに寝そべり、
広い空を眺めながら、遠くアフリカへ来たことを実感!
のんびりと過ぎ行く時を楽しんだ。
アンボセリロッジの中庭
背後にうっすらとキリマンジャロが見える。
<ゲームサファリ>
「サファリ」とはスワヒリ語で「旅」を意味する。
「ゲームサファリ」とは、
サバンナを駆け巡り、大自然に触れ、動物ウオッチングすること。
いわゆる、誰もが想像する「サファリ」のことだ。
このゲームサファリ、
一日、早朝6:30〜8:30
夕方4:00〜6:00 の2回、
動物達の食事時、活動的な時間を狙って行われる。
<サファリカー>
実はこの時まで
4WDのジープやクロカン系のものを想像していたのだが、
ゲームサファリに使われる車は、
我々がこれまで移動に使っていたミニバン?!
しかし、あなどるなかれ、
この専用車、なんとルーフの部分全体が持ち上げられるようになっており、
立ち上がって360度見渡すことが出来るのだ!
天候によって開閉自在の(手動式だが・・・)
スーパーサファリカーだった。
<感動!ゲームサファリ>
午後4時、
待望のゲームサファリが始まった。
そして、この最初のサファリで、
予想をはるかに上回る
大自然と野生の動物たちを目の当たりにする
まず出迎えてくれたのがアフリカゾウ。この距離近い!
広大なサバンナとアフリカゾウの群れ。 サファリカーと象と、おまけ・・・
サファリカーからの眺め。
バッファロー(アフリカ水牛)の群れ ヌー(ワイルドビースト)の群れ
シマウマ(コモンゼブラ)の群れ
アンボセリの大自然と草食動物
キリマンジャロとヌー
<百獣の王>
初めて目にする野生のライオンに興奮!
しかし、彼らは人間などお構いなしに、無防備に寝転んでいる。
反対方向から、一頭の若い雄ライオンが近づいてくる。
車に乗っていても、その貫禄に威圧される。
目前を通り過ぎるライオンにシャッターを押し続け、「スッゲー!」の連発!
ライオンの群れ
近づいてくるライオン(シンバ)は、そのままサファリカーの直前を横切っていった。
トムソンガゼルの群れ ウオーターバック
ブチハイエナ
かんむりヅル ダチョウ
何処を見ても絵になる、アンボセリの大自然。
<オブザベーション・ヒル>
アンボセリの展望台、「オブザベーション・ヒル」
サバンナを一望し、遠くキリマンジャロを望む。
360度のパノラマに気分爽快!
ジョージとポーズ
<マサイ村>
アンボセリ2日目、
ロッジから車で15分程のところにある、マサイ村見学ツアーに出かける。
といっても、他のツアー参加者は見当たらない。
動物の襲撃を防ぐためのイバラで作った囲いを入ると、
男女合わせて数十名のマサイ族が出迎えてくれた。
ジャンプには多少自信があったのだが・・・
到着すると、まずは歓迎の踊り。
そう、皆さんご存知の高くジャンプするあの踊り。
その後は、村長の息子に案内されて、
生活に使う道具や火のおこし方など、習慣や文化について説明してくれる。
住居の中は真っ暗で、
「これが、ベットで、これが台所、そして・・・」
などと説明されるが、なにも見えない。
それでも、牛の糞で造ったこの家は、シンプルで居住性バツグン!
カメラのフラッシュで、初めて中の様子がわかる。 村長の息子とダンディポーズ。
どこの国でも子供はかわいい・・・
説明の後連れて行かれた村の裏手には、
我々だけのために用意された臨時のマーケット。
炎天下に映える、様々な色の布を広げ、
手作りと思われる木彫りの人形やアクセサリーを売り始める。
それぞれに値段交渉が始まるが、これがやたらと高い。
品質の悪さに辟易しながらも、
それぞれの店から何点かを選び、
全部ひっくるめた値段を村長の息子と再び交渉する。
交渉成立に握手を交わしているうちに、
さっきまでのマーケットは瞬く間に片付けはじめられていた。
全工程、1時間半ほどであろうか・・・
来た時より少し気心の知れた彼らは、車が見えなくなるまで見送ってくれた。
とっても貴重で有意義な「ウルルン滞在記」であった。
「これ、いくら?」
【アンボセリ→アバーディア】
アンボセリからアバーディアに向かうには一度ナイロビに戻ることになるが、
悪路を長時間走ったためか、ナイロビ市内でタイヤがパンク。
だが、ドライバーのジョンは慌てることなく、ものの5分で修理してしまった。
形だけでも、手伝う振り。
【アバーディア国立公園】
ケニアでは珍しい、森林と渓谷からなる国立公園。
森林性や夜行性の動物をみるのに最適。
まず、公園入り口付近にある「アウトスパン」というホテルに
スーツケースを預け、1泊分の手荷物だけを持ち、
専用バスに乗り換え、目指すロッジへ向かう。
ツリートップスとバッファローの群れ
<最高のホテル!>
木の上に建てられたロッジ、「ツリートップス」。
現在は枯れた大木を補うように柱の上に建てられているが、
元々はロッジではなく、動物の観察所であったといわれる。
それにしても、
このホテルは素晴らしかった!
自然と一体になった外観や雰囲気はもとより、
屋上のテラスから眺める景色や居心地の良さは、
これまで味わったことのないものだった。
「木の上の家」への思いは、子供の頃と変わらない。
ロッジの前の水場と塩を求めて、やってくる動物達を観察しながら、
美しい自然を存分に満喫する。
静かな時が流れる。
これほど、贅沢な時はない。
水場に訪れる動物たちを屋上テラスからのんびり眺める
<エリザベス女王が・・・>
余談だが、イギリスのエリザベス2世が王女だった時ケニアを訪問し、
アバーディアのこの「ツリートップス」に泊まったことでも有名。
その夜、国王の訃報が届き、木の上で王位を継承することになったとか・・・
笑う「イボイノシシ」
バッファロー 水を飲むバッファローとイボイノシシ
エランド ウオーターバック
<部屋と食事>
部屋はかなり狭いが、清潔で機能的でとても快適!
ここでの食事がまた面白い。
部屋の中央に長いテーブルが置かれ、宿泊客は向かい合わせに座る。
料理は台車に載せられ、中央の溝をレール代わりにして、運ばれてくる。
取り終わったら隣の人へ、移動させていく仕組みだ。
ケニアのビール。
<アニマルコール>
このロッジの面白いのは「アニマルコール」と呼ばれるもの。
各部屋に付いているスイッチをオンにしておけば、
夜中でもロッジに動物が近づけば、ブザーで知らせてくれるのだ。
この夜、いつでも飛び出せるよう万全の準備をしてベッドに入った。
そして、夜中2時ごろであったろうか、ブザーが鳴り、
ラッキーなことに、めったに現れない「クロサイ」をみることが出来た。
クロサイ
【アバーディア→ナクル湖】
アバーディアからナクル湖へ向かう途中の
土産物屋前に「EQUATOR(赤道)」と書かれた大きな看板がある。
どうやら、ここが赤道の中心らしい。
この看板を境に北と南では、水の渦巻きが違うことを、
土産物屋のお兄さんが洗面器と上戸をもって実演してくれる。
そして、赤道をまたいだと言う証明書に日付スタンプを押してくれる。
・・・が、
しっかり料金をとられる。
赤道
【ナクル湖国立公園】
この国立公園の特徴は何といっても、ソーダ(ナトリウム塩)湖に集まるフラミンゴ。
<ピンク一色!>
写真ではなかなか伝えられないが、その数は想像を超える。
湖水際に群れをなすフラミンゴは、遠くから眺めるには美しいが、
カメラを構え近づくと、一定の距離をおいて逃げる
さらに群れとの間は沼地のようにドロドロしており、
落ちた羽根や死骸などで、異臭が鼻を付く。
フラミンゴの群れ
<あっぱれ、日本人!>
ホテルはナクル湖を見下ろす絶好のポイントにあるが、サービスや食事にに難あり。
日本人の団体ツアー客が、レストランに電気釜を持ち込み、
おにぎりを大量に作っているのには笑えた。
<幻想サファリ>
ケニアに来て、初のスコールを体験。
運良く、ゲームサファリ前に止み、
靄のかかったような幻想的なサファリを楽しむ事ができた。
ペリカン
ロスチャイルド キリン
グランド ガゼル
シロサイ
ダチョウ
【ナイバシャ湖】
ナクル湖から車で1時間程度走ったところにあるナイバシャ湖。
<岩・・・?>
かばの群れを求めて、ボートに乗る。
さわやかに晴れ渡った穏やかな日、
水面から顔だけ出しているカバの群れは、
まるで小島か岩のように、微動だにしない。
多少のアクションを期待しながらも、
のんびりとした時間と風景にどっぷりと浸る。
ボート乗り場
ペリカンとカバ
ハゲタカ?
【ナイバシャ→マサイマラ】
ナイバシャからマサイマラにむかう移動はとにかくキツかった。
道路は穴ポコだらけで、車は凹凸を避けながら右へ左へ大きく揺れながら進む。
砂埃がスゴイため、窓をあけることが出来ず、車内はちょっとしたサウナ状態。
4〜5時間は揺られ続けただろうか・・・
ここにきてケニアの道の悪さを、改めて思い知らされる。
【マサイマラ国立保護区】
タンザニアのセレンゲティ国立公園と国境線で隣接。
野生動物の数の多さではケニア国内第一!
面積は大阪府に近い、マサイマラ国立保護区。
<HAKUNA MATATA>
ここでの泊まりは「フィグツリーキャンプ」。
ここでちょっとしたハプニング。
サファリ気分を存分に味わいたいと、テント式の部屋を予約したはずだった。
しかし、通された部屋は、狭くて汚い小屋みたいなところ。
せっかくの気分を台無しにされてはと、
早速、ガイドのジョージにクレームをつけてもらったが、
なしのつぶて。
結局、現地旅行社に連絡して、
翌日テントの部屋に変えてもらうことになったのだが・・・
それにしても、貴重な一日を無駄にし、
気分を損ねてしまった僕とは対照的に、
「HAKUNA MATATA(スワヒリ語で”問題ない”という意味)」
を連発するガイドのジョージの能天気さに、
アフリカ人の気質を垣間見た。
バルーンサファリ
<名ドライバー「ジョン」!>
ゲームサファリには決まったコースがある訳ではない。
それゆえ、サファリはドライバーの勘と腕で決まる!
大きなツアーの場合、ドライバー同士が無線などで連絡を取り合い
情報を伝えあっているようだが、
我々のドライバー「ジョン」は、一匹狼!
広大なサバンナを自分の勘だけを頼りに車を走らせる。
シマウマやヌー、ガゼルなど草食の動物は、探すまでも無く、
そこかしこで見ることが出来るが、
旅行者に人気があるのは、やはりライオンなどの肉食獣。
そしてそれを誰よりもいち早く見つけるのが、名ドライバー「ジョン」なのである。
視力もバツグンで、
我々には見えない何キロもの先の動物の種類と数を正確に当てることができる。
そして目標が決まれば、どんな悪路のぬかるみでさえ、
巧みにハンドルを操りながら、最高のポイントまで連れて行ってくれる。
このジョンがいなければ、
これほどサファリを楽しむ事は出来なかったかも知れない。
ここマサイマラでも、
他では見られなかった貴重なシーンに出会うことができた。
ジャッカル 獲物
<シャッターチャンス!>
いつも冷静で穏やかなジョンが、
真剣な面持ちで周りの様子を伺いはじめた。
「用意は出来てるか?」「ワンチャンスだ!」と言ったかと思うと、
車を急発進させ、道のない草原に入って行く。
ただならぬ雰囲気を感じながら、
カメラのスイッチを入れ、レンズキャップを外す。
一瞬、目を疑った!
「チーターだ!」
非常に稀にしか見ることの出来ないという、
僕が最も見たかった動物。
車はチーターの進路を先回りする。
チーターが目の前を通りすぎる。
絶対に逃せないチャンス!
カメラを構える手が震える。
夢中でシャッターを押し続ける。
「OK?!」
言うが早いか、ジョンは急ぎ、来た道を引き返す。
「フゥーッ!」
大きなため息のあと、いつもの笑顔に戻った。
ジョンが入って行ったのは、進入禁止区域だったのだ。
それをレンジャーに見つかってしまうと、
かなり高い罰金を払わされるらしい。
おかげで我々は感動と興奮、
緊張感いっぱい瞬間を味わえたわけだが・・・
危険をかえりみず、我々を楽しませようとしてくれたジョンの後姿が、
またカッコ良くみえた。
歩く姿も様になるチーター
シャッターチャンス!
<大自然の営み>
数台のサファリカーが取り囲んでいるところ、
そこには大体ライオンがいる。
さすが人気者!
更に
とても貴重なシーンに出くわした。
彼らは何台ものサファリカーが見守るなか、
お構いなしに、交尾しはじめたのだ。
これも、大自然の営み。
ちょっと、休憩
前から 後から
気がつけば、サファリカーがいっぱい!
<お散歩サファリ>
マサイ族にガイドしてもらう、ウオーキングサファリ。
植物の名前などを教わりながら
アフリカの大地を踏みしめ、
ポレポレ(ゆっくりの意)とした時間を過ごす。
これもまた、楽しい体験。
写真には収めることは出来なかったが、
散歩の途中の川岸で、
巨大なクロコダイルを2頭、目撃!
マサイと一緒に歩けば、僕も太って見える
<テントホテル>
やっぱりアフリカのサファリとくれば、
こういうタイプでなきゃ・・・
と、ばかりにテントの部屋に泊まる。
だけど、内部は快適なホテルそのもの。
居住性バツグン!
一泊しか出来なかったのは残念!
部屋の外観と内部
アカシアの木とハゲワシ
絵の様なマサイマラの風景
グラントガゼル ハーテビースト
トピ
<視力5.0>
「あそこにキリンが何頭いるか見えるかい?」、ジョンが聞く。
指差す方向を目をこらして見る。
針の様な影がぼんやりと3本見える。
「3頭!」と、応える。
「いいや、21頭だ!」と、ジョン。
これでも視力は左目が2.0。遠くを見るのには自身があった。
キリンの群れが近づく。
先ほどより数が増えている。
さらに接近。
もう一度数えてみた。
「えっ、やっぱり21頭だ!」
自身はあっけなく打ち砕かれた。
マサイ族のなかには、視力5.0の者もいると言う。
恐ろしい視力だ。
マサイキリンの群れ
見送ってくれるかのように立ち尽くすマサイキリンたち
<見送り>
最後のゲームサファリ。
ロッジに戻ろうとするサファリカーは、
横切ろうとするキリンの群れの先頭で止まった。
行く手を阻まれたキリンは、足をとめる。
群れのリーダーだろうか、
動かずジッとして、こっちを見ている。
物憂げな優しい目は何か言いたげだった。
「じゃーねー、バイバイ!」
先に動いたのは、我々の方だった。
21頭のキリンに見送られながら、
赤く染まり始めたサバンナを後にした。
「バイバイ!」
<いつか、また・・・>
撮った写真は、1200枚を超えた。
おそらくこれまでの旅と比べて、ダントツの数だろう。
これまで、僕はカメラを撮ることにそれほど興味を持っていなかったし、
むしろ、撮られることが多かった。
しかし、今回ほど一眼レフなどの、高性能なカメラがほしいと思った事はなかった。
それはやはり、
アフリカの大自然と、そこに生きる動物たちの素晴らしさが、
僕の想像を遥かに超えていたからに他ならない。
もちろんカメラに収めずとも、自分の記憶のなかにしまっておけば良いことだが、
初めてのサファリで、その光景に触れた途端、
とっさに、
「もったいない」と思ってしまった。
そして、「この感動を誰かに伝えたい」
とも思ったのである。
気がつけば、夢中でシャッターを切り続けていた。
強い憧れゆえに、これまで後回しにしてきたもう一つの理由に、
アフリカに対して「厳しい旅」というイメージが強かったからかも知れない。
年末年始の疲れ果てた身体には、到底体力が及ばない場所としての思いがあった。
だから、体力気力とも、元気でなければ楽しめないのではないかと思っていた。
・・・・が、
それは、どうやら大きな取り越し苦労であったようだ。
13時間のフライトも、程よく睡眠をとる事ができたし、
ナイロビについてしまえば、後はすべて車移動である。
ガイドブックには、「履きなれた歩きやすい靴を」などと書いてあるのだが、
実際には、歩き回ることなど、ほとんどない。
一日のやることと言えば、朝夕のゲームサファリ以外、
ホテルのプールで、ボーっとするか、
気が向けば、オプショナルツアーに参加するくらいである。
長時間の悪路の移動には、音を上げてしまったが、
それにしたって、飛行機を使うという手だってある。
なにはともあれ、とても楽チンで快適な旅だったのである。
これまで、海外の20箇所以上の国と地域を旅してきた。
それぞれに、それぞれの個性をもち素晴らしく、
感動と楽しさを味わってきた。
だが、「もう一度来たいか?」と訪ねられれば、
返答に迷うかもしれない。
しかし、今回は別だ。
自信を持って言おう。
「また、来たい!」
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